仕事・人間関係での失敗談

ADHDを抱える私が怒られたときにフリーズしてしまう理由とは?

私は昔から当たり前にできることが当たり前にできず、結構な頻度で起こられることが多かったと記憶しています。

スポーツをしていても、仕事をしていても、重大なミスを起こした場合、怒られてその理由を説明できずにフリーズしてしまうということは多々あります。

その時の私の特性として、「フリーズしてしまう」という状態になってしまうのです。

これは決して反省していないわけでも、開き直っているわけでも考えていないわけでもありません。

でも自分の言葉で説明しようとすると固まってしまうんですよね。

 

こうした経験、ありませんか?

  • なぜ黙っているのか?
  • 説明しなさい
  • 反省してるように見えない

と詰められるとなかなか言葉にできないということも少なくありません。

ですがこれはあなただけではないのです。

実は脳の中では様々な考えはあるものの、それを言葉にすることが難しいという状況になっているのです。

今日はそうしたことについて解説してみたいと思います。

なぜADHDは起こられたときにフリーズしてしまうのか?

ADHDの人が怒られたときにフリーズしてしまう背景には、扁桃体と前頭前野の働きのアンバランスがありると言われています。

扁桃体は、脳の深部にある小さな部位で、恐怖や不安などの感情の処理に関わっています。

怒られるという場面では、自分が否定される、攻撃されているという認識が働き、扁桃体が即座に反応します。

特にADHDの人は、この扁桃体の反応が過敏になりやすいことが分かっています。

つまり、怒られる=生命の危機くらいにまで誇張された感覚で受け取ってしまうと言われています。

 

また、前頭前野は脳の最前部にあり、注意のコントロールや感情の制御、言語による応答などを担う部分です。

通常であれば、扁桃体がストレスを感知しても、前頭前野がそれを抑え、冷静に対応しようと働きかけます。

しかし、ADHDの人はこの前頭前野の働きが弱まりやすく、過剰に興奮した扁桃体に対してブレーキをかけるのが難しくなるのです。

その結果、「怒られている」→「ヤバい!危険!」→「言葉が出ない、動けない!」というように、

理性より感情が暴走してしまい、その結果、思考が停止してしまうというフリーズ状態に陥ります。

 

黙っていると余計に怒られるという悪循環を解消するためには?

怒られている最中、私たちADHD当事者が黙ってしまうのは、自分を守るためのフリーズ反応であり、

反省していないわけでも開き直っているわけでもありません。

ただただ言葉にして表に表出するのが難しいだけだと私は感じています。

 

しかしながら相手からは無視をしている、反抗的だ、反省していないという風に取られることが多く

余計に怒られるという経験をしたことがあると思います。

 

ADHD特有の困難として、言語化のタイミングがズレやすい、言葉が感情に追いつかないという特徴があります。

怒られたその場では混乱しきって言葉が出ないのに、後から家に帰って一人になって冷静になったときに

あとから言葉があふれてくることってありませんか?

こうした思いが、次にまた怒られる場面が来たときの「恐怖の記憶」として蓄積されていき、

さらにフリーズしやすくなる下地を作ってしまいます。

ADHDの特性を持っている人は、子どもの頃から「忘れ物が多い」「注意散漫」「空気が読めない」などのありきたりな理由は元より

様々な問題に対して何度も怒られたり、注意されたり、否定的なフィードバックを受けてきた人が多いのではないでしょうか?

私自身も実はそうした一人です。

 

そのため、怒られるという状況が発生した瞬間、過去の失敗や恥ずかしい思い出が一気に蘇り、

ああ、また自分はダメなんだ、また嫌われるといった極端な思考に陥りやすくなります。

これはいわゆる認知の歪みとも言えるかもしれませんが、本人にとっては非常にリアルな感覚です。

こういった過去の否定経験が蓄積されているため、怒られること自体が一種のトラウマトリガーになっているのです。

そして、そのトリガーに触れたとき、心と身体は「凍りつく」という形で自分を守ろうとします。

 

この特性は完全にはなくなりません。

このように諦めに近い気持ちが強まってしまうと、怒られること自体がトラウマになり、対人場面や新しい挑戦を避けるようになることもあります。

これは、自己肯定感や社会適応に大きなダメージを与える可能性があります。

でも、少しずつ自分を理解すること、他者にも自分の特性を伝えることで、状況は改善されると思います。

 

怒られたときの対処法とその解決法

多くの場合、ADHDの人が怒られて黙ってしまったときに必要なのは、もっと怒ることではなく、少しだけ時間を置いて、話せるタイミングを待つことです。

怒られている時はあまり言葉に出ないのに、普通に話をしているとよく話す人っていませんか?

私自身もそうした特性を持つ一人です。

 

すぐに返事ができなくても、少し落ち着いた後に話をする時間があれば、本当は謝ることも、改善の意志を伝えることもできます。

だけど、その場で即答を求められると、脳の処理が追いつかず、結果的に無言という反応しかできなくなってしまうのです。

とはいえ、そうしたことができる場面は少なくありませんし、相手にそれを強いることは不可能です。

ではどうすればいいのでしょうか?

 

まず一つ言えることは、黙ってしまった自分を責めないでください。その沈黙は、あなたの中の必死の自己防衛なのです。

そして相手が怒っているということは、それはあなたのために伝えてくれているということです。

その場で言葉にできなくても、あとから自分の言葉をまとめて伝えることはできます。

最近であればチャットという文化もありますし簡単に電話もすることは可能です。

 

どうすべきだったのか、どうすれば対処できるのか、次から同じことをしないためにはどうすべきなのか

こうしたことを自分で自己分析するということはとても大切なことです。

今まで自分が怒られてきたのは、その対処をせずに放置してきたからです。

 

私も朝全然起きれませんでした。

でもそのために様々なことを試してみて今に至ります。

 

ADHDは脳の特性であり、自分で変えるべきと感じているのであれば変えることは可能です。

どうか自分をあきらめず、根気強く頑張っていきましょう。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

人気ブログランキング
人気ブログランキング

 

-仕事・人間関係での失敗談