継続・改善の工夫

見通しを立てた計画作りが苦手なADHDの私が気づいたこと

「どうして私は、いつもうまく計画が立てられないんだろう?」

仕事でも家のことでも、やるべきことを整理して、段取りを立てて、順番にこなしていくことに苦手意識を感じています。

世の中にはそれが自然にできる人がたくさんいるように見えます。

でも、ADHDの私は、その当たり前がとてつもなく難しいと感じることが多々あります。

 

やる気がないわけじゃないし、むしろ理想は高い。

でも、頭の中で考えていることが整理できず、何から手をつけていいのか分からないまま時間だけが過ぎていく。

特に朝の時間に仕事をすると決めたときから、朝は早く起きて作業に移行していますが

時折いつもやるべきことをやれずTwitterを眺めていた利することもしばしば。

 

気づけば時間直前に慌てたり、大事な予定をうっかり忘れてしまったり。

そんな経験を何度も繰り返し、「また失敗した」「自分は本当にダメなんじゃないか」と落ち込む日々が続いていました。

でもあるとき、「これは自分の意志の弱さや能力の問題ではなく、脳の特性なのかもしれない」と思えるようになりました。

 

ADHDという診断を受け、自分の考え方や行動パターンの“クセ”を理解するようになってから、少しずつ気持ちに余裕が持てるようになったのです。

今回は、そんな私が感じてきた「計画が立てられないこと」にまつわる悩みや、

そこに潜む問題点、そして自分なりに試してきた改善の工夫について、具体的にご紹介したいと思います。

 

なぜADHDの人は計画を立てるのが苦手なのか

ADHD(注意欠如・多動症)の特性を持つ人が計画を立てるのが苦手な理由は、

一言で言えば「脳の情報処理の仕方」によるものです。

これは単なる性格や努力不足ではなく、注意や実行機能、時間感覚のズレといった見えにくい認知機能の影響によって起こっていると言われています。

 

まず、ADHDの人は「注意が分散しやすい」という特性があります。

計画を立てるためには、複数の情報を一度に把握し、優先順位を考えながら整理する力が必要です。

しかし、ADHDの人は外からの刺激や自分の頭の中の思考に気を取られやすく、一つのことに集中して取り組むのが難しくなる傾向があります。

頭の中であれこれ考えすぎて整理がつかず、結局「何から手をつけていいのかわからない」となってしまうのです。

 

次に、「時間感覚のズレ」も大きな要因です。

ADHDの人は、いわゆる時間の見積もりが苦手です。

30分で終わると思った作業に2時間かかってしまったり、逆に「まだ時間ある」と思っていたら締め切り直前だった、という経験は多くのADHDの人が持っているでしょう。

これから夏休みの宿題を取り組まなければいけないという時期に差し掛かります。

こうしたときに宿題が夏休み最後まで放置していたという人も少なくありません。

特に私はこうしたことが頻繁に起こっていました。

これは「時間を直感的に感じ取る力(時間感覚)」が弱いことが原因なのです。

結果として、スケジュール通りに動くことが難しくなり、計画を立ててもその通りにいかないため、自己否定感にもつながりやすくなります。

 

さらに、「先延ばし癖」も計画実行を阻む要因です。

これは意志が弱いのではなく、脳の報酬系が通常とは異なって働いているためです。

ADHDの人は、遠い未来の報酬よりも、目の前の快・不快に反応しやすい特性があります。

計画の中には「めんどうな作業」や「退屈な手続き」も含まれることが多く、それを始めるまでにかなりのエネルギーが必要になります。

頭では「やらないと」とわかっていても、どうしても行動に移せず、直前になって慌てるというパターンを繰り返してしまいます。

これらの特性は、本人の努力ではなかなかコントロールが難しいものです。

しかし、自分自身の脳の仕組みや行動傾向を理解することで、「自分がダメなんだ」と思い込むのではなく、

「こういう特性があるから、工夫が必要なんだ」と前向きに捉えられるようになります。

「計画を立てるのが苦手」という感覚の背景には、さまざまな認知的な特性が複雑に絡み合っています。

だからこそ、ADHDの人にとっては“普通のやり方”が通用しないことも多いのです。

そのことをまず知ることが、計画力を育てていくための第一歩なのです。

 

ADHDの私が試行錯誤の中で見つけた対処法とは?

見通しを立てることや計画を守ることが苦手な私にとって、

日々の生活や仕事をスムーズに進めるのは、まるで高い山を登るような感覚でした。

きっちり立てたスケジュールも、気づけばどこかで遅れ、計画倒れ。自己嫌悪に陥ることも少なくありませんでした。

 

しかし、いくつかの方法を試すうちに、「完璧な計画」ではなく「自分に合った計画」を意識することで、少しずつ前向きに日常をコントロールできるようになってきました。

ここでは、私が実際に試してうまくいった工夫を紹介します。

 

まず、最も効果的だったのは「見える化」でした。

頭の中でスケジュールを組もうとするとすぐにごちゃごちゃになってしまうため、手帳やホワイトボード、スマホアプリなどを活用して、タスクや予定を目に見える形にしました。

朝の時間にやるべき課題は常にテーブルの上に置いていますし

作業を行う際には何をすべきかを紙に書き出すようにしました。

 

次に役立ったのは、「時間を区切って作業する」ことです。

長時間集中するのが難しいため、ポモドーロ・テクニック(25分作業+5分休憩)を使って取り組むと、思った以上に集中できる時間が増えました。

これは、途中で飽きてしまうことを防ぎ、途中で投げ出すリスクを減らすのにも有効でした。

また、「朝の作業はやるべきタスクをひとつだけ決める」という習慣も効果的でした。

いつもやるべき課題とは別に、今日は「この1つだけやればOK」と決めることで、成功体験が積み重なり、自信を取り戻すことができました。

何より大切なのは、「うまくいかない日があってもいい」と許せるようになったことです。

完璧を目指さず、できたところに目を向ける。この視点の転換が、継続の鍵となりました。

 

こうした考え方を持てるかどうかで、自分の計画をしっかり立てられるようになったのです。

もしあなたも苦手意識を抱えているのであれば、ぜひ試してみてください。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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