- とにかく行動する前に考えなさい
- もっと計画を立ててから動きなさい
昔から、何度も言われてきた言葉です。
ADHDの私は、思いついたらすぐに動いてしまうクセがあり、それが原因で失敗したことも数えきれません。
人の話を最後まで聞かずに行動してしまったり、準備不足のまま突っ走ってしまったり。
そのたびに反省して、「次は慎重に行こう」と心に決めるのですが、なかなかうまくはいきませんでした。
でもあるとき、ふと思ったんです。
「もしかして、自分にとっては動いてから考えるほうが合っているのかもしれない」と。
実際、じっくり考えても頭が混乱してしまって動けなくなることが多い私にとって、
とにかく手を動かしてみる、少しだけでも始めてみるというスタイルのほうが、ずっと自然でストレスが少なかったのです。
そして気づけば、「行動しながら考える」ことで少しずつ前に進めるようになっていました。
失敗もあるけれど、その都度立ち止まって修正すればいい。
最初から完璧を目指すよりも、やってみてから調整する方が、私にとっては合っていたのです。
今回は、「動いてから考える」ことがADHDの私にとってなぜ“武器”になったのか、実際の経験を交えながらお話ししていきたいと思います。
ADHDの私はとりあえず手を動かすことから始めるようにした理由とは
私は昔から、やらなきゃと思えば思うほど、なかなか動き出せないタイプでした。
特に勉強関係についてはこれは特に強く感じていました。
何をどこから始めればいいのか、何が正解なのかを考えすぎて、気づけば時間だけが過ぎていく。
ADHDの私は、頭の中があちこちに飛んでしまい、
結局行動に移せないまま「また今日もできなかった」と自分を責める日々が続いていました。
タスクが積み上がっていくプレッシャー、先延ばしにしてしまう自分への自己嫌悪。
そんな悪循環から抜け出したかったけれど、「まずどうしたらいいのか」がわからなかったのです。
そんなある日、ふとSNSで「まずは1分だけ手を動かしてみよう」という言葉を目にしました。
「1分でいいならできるかも」――そのくらいの軽い気持ちで、手元の作業にほんの少しだけ取りかかってみたのです。
すると、不思議とそのまま10分、20分と続けられてしまったのです。
考えて動くのではなく、動いてから考える。
この順番を変えるだけで、驚くほど気持ちが軽くなりました。
完璧な計画を立てる前に、まずは一歩を踏み出す。
どんなに小さな一歩でも、動き出すことで視界が広がり、「次にやるべきこと」が自然と見えてくることを実感しました。
それ以来、「とりあえず1分だけ手を動かす」を私のルールにしています。
たとえば仕事で資料作りが進まないときも、まずはファイルを開いてタイトルだけ入れてみる。
家事をする気が起きないときも、まずは洗濯物を1枚だけ畳んでみる。
そんな風に、とにかく“行動のスイッチ”を入れることに集中すると、流れに乗れることが増えました。
もちろん、すべてがうまくいくわけではありません。
途中で飽きてしまう日もあるし、気が散って別のことを始めてしまうこともあります。
でも、それでもいい。
大切なのは「できたこと」に目を向けて、自分を責めないこと。
少しでも前に進めた自分を肯定することで、また次の行動への原動力が生まれるのです。
ADHDの私は、今でも「考えすぎて動けない」ことがあります。
でも、「動けば何かが変わる」という経験を積み重ねていくことで、以前よりもずっと自分を信じられるようになりました。
動き出すことに完璧な理由なんていらない。
まずは手を動かす
それが、私の毎日を少しずつ変えてくれた、大きな一歩でした。
思いついたらすぐに動く|それは衝動性ではなく行動力という名の強みだった
よくADHDの人は衝動的に行動することが問題視されます。
私もじっくり考える前に口が動いてしまったり、
思いついたアイデアをそのまま形にしようとして、準備不足で失敗したことも何度もあります。
「もっと計画性を持て」「焦らず落ち着いて」と注意されるたび、
自分の衝動性が“悪いもの”に思えて、恥ずかしさや劣等感を感じるようになっていました。
でもあるとき、ふと気づいたのです。
このすぐに動ける力は、見方を変えれば「行動力」として活かせるのではないか、と。
むしろ、普通の人が迷って立ち止まってしまう場面で、私は先に一歩踏み出せることがある。
それは、誰にでもできることではないのではないかと。
たとえば、職場で新しいアイデアを提案されたとき、
「面白そう!」と思った瞬間に、私はすぐに行動してしまいます。
もちろん、詰めの甘さや細かい調整は後回しになることもありますが、
その分、行動が早く、スピード感のあるものができていることが多いのです。
周囲が悩んでいる間に形にしてみせることで、意外とそれが評価されることもありました。
また、情報発信においても「思いついたらすぐに投稿する」「考える前にとにかく書き出してみる」という姿勢が、
結果として継続につながることもあります。
人前で話すのが苦手な人にとって、最初の一歩を踏み出すことは大きな壁かもしれませんが、
私の場合、「やってみよう」という衝動で乗り越えられる場面が多いのです。
もちろん、全ての場面で衝動性がプラスに働くわけではありません。
失敗や誤解を生むこともありますし、冷静さを求められる場面では注意が必要です。
でも、「衝動=悪」ではなく、「衝動=素早い行動のエネルギー」と捉えることで、自分の特性を肯定的に活かす道が開けてきたのです。
思いついたらすぐに動ける。
これは、コントロールさえできれば大きな強みです。
「やってみないとわからない」「とりあえず動いてみる」
その精神が、私をいくつもの成功へ導いてくれました。
今では、「衝動的ですね」と言われても、あまり感じなくなってきました。
なぜならこれが自分の強みだと感じているからです。
ADHDであることは、私の弱点ではなく、可能性のひとつだと胸を張って言えるようになれていると思います。
あなたも自分の強みを見つけてみませんか?