仕事・人間関係での失敗談

報告、連絡、相談をしろと言われるのになぜADHDはできないのか

  • もっとちゃんと報告しなさい
  • なんで相談してくれなかったの?
  • 連絡くらい早くできないの?

そんな言葉を、私は何度も言われてきました。

こうした経験をしたことがある人もいるのではないでしょうか?

実際は報告、連絡、相談が大切であることは頭では分かっているのです。

だけど、どうしてもそれができない。

できないまま時間が過ぎ、指摘され、怒られ、自分に落ち込む。

これの繰り返しをしてはいませんか?

 

私はADHDという問題を抱えています。

この特性があることで、当たり前にできるとされているコミュニケーションの基本が、とても難しく感じるのです。

今回は、ADHDの私が「なぜホウレンソウができないのか」を、自分の体験を交えて正直に書いてみようと思います。

 

なぜADHDは報告連絡相談が難しいと感じるのか?

ADHDの人にとって報告・連絡・相談が難しいのは、脳の実行機能と呼ばれる働きが弱い傾向があるためと言われています。

実行機能とは、物事の優先順位をつけたり、情報を整理して判断したり、適切なタイミングで行動したりする力のことです。

 

たとえば、「これを上司に伝えよう」と一度思っても、他の刺激が入るとすぐに意識が逸れて忘れてしまったり、

いま話しかけるべきかどうかを判断するのに時間がかかったりします。

また、情報をうまくまとめて言語化するのが苦手なため、報告や相談の内容が整理できず、言い出せなくなることもあります。

特に苦手意識を抱えている人に対してはこうした傾向が強く出てしまうという経験はありませんか?

 

こうした特性は意志の弱さではなく、脳の神経伝達のバランスの問題によるものです。

そのため、本人の努力だけで完全に克服するのは難しく、工夫や周囲の理解が不可欠です。

 

実際私も、報告がスムースにできるときは比較的しっかりできることがあります。

しかしながら、何かミスをして怒られている時や、自分が不利な立場にある場合は

相手の顔を伺ったり、その状況から避けたりと、比較的その現状から逃げる傾向にあります。

そうしているうちに他の刺激が入るとすぐに意識が逸れて忘れてしまったり、

いま話しかけるべきかどうかを判断するのに時間がかかったりするのです。

 

 

ADHDの私が報告連絡相談を乗り越えるためにしている、たった2つのこと

ADHDの私は、頭の中だけで

  • あとで報告しよう
  • タイミングを見て相談しよう

と考えても、そのあとでが来ないことが本当に多いと感じています。

別のことに意識が向くと、さっきまで考えていたことがすっぽり抜け落ちてしまう。いわゆる今に強く引き込まれてしまう感じです。

 

だから私は、脳を信用しないと割り切るようになりました。

記憶や判断に頼らず、どうすれば忘れてもなんとかなるか?を考えて、外部の仕組みに助けてもらうようにしています。

 

たとえば、スマホのリマインダー機能を活用して、毎日15時に報告を送るといったアラームを設定しています。

リマインダーは“自分の代わりに覚えていてくれる脳のようなものです。

また、報告や連絡で悩みがちな何を、どう伝えればいいかわからない問題に対しては、あらかじめテンプレートを用意しています。

たとえば「進捗報告テンプレ」のようなもの。

毎回一から言葉を考えずに済むので、心理的な負担がグッと減ります。

 

さらに、話しかけるタイミングを逃すという課題には、chatworkなどのチャットツールで相談するようにしています。

話しかける勇気が出ないときでも、文字なら気楽に伝えられるし、記録も残ります。

ポイントは、自分の脳の苦手を責めるのではなく、「どうすればそれを補えるか」を考えること。

仕組みで補えば、「できない」が「できるかもしれない」に変わります。小さな工夫でも、積み重なれば大きな助けになります。

 

ADHDだからできないと自己否定を辞めてハードルを下げるようにしよう

「ちゃんと報告しなきゃ」「早く連絡しなきゃ」と思えば思うほど、

できなかったときの自己嫌悪が強くなる。

結果として、ますます言い出せなくなってしまう――そんな悪循環に何度も陥ってきました。

あなたもこうした経験をしたことはありませんでしょうか?

 

でも最近気づいたのは、私が報告連絡相談を苦手な本当の理由は、

「能力の問題」ではなく「心のハードルの高さ」だったんじゃないかということです。

 

たとえば、「こんなことで相談していいのかな」と迷ったり、「前も遅れて注意されたから、また怒られるかも」と不安になったりする。

その結果、結局タイミングを逃してしまう。そしてまた落ち込む。そんな自分を責める。この繰り返しです。

 

だからこそ、意識しているのは「まずは自分を責めないこと」と、「完璧を目指さないこと」です。

たとえば、報告が遅れてしまったとしても、「遅れてしまってすみません。でも今お伝えします」と言えばいいと思います。

むしろ後から上司につつかれるより、自分から報告する方が被害が小さいことが分かったのです。

 

伝える内容がまとまっていなくても、「まだ整理できていないんですが…」と前置きすれば、ちゃんと聞いてもらえることも多いです。

「ちゃんと伝えなきゃ」「うまく説明しなきゃ」と思いすぎず、7割くらいの完成度でもいいから、とりあえず伝える。

そう決めたら、少しずつ話すハードルが下がってきました。

 

特に相手から指摘されたりつつかれたり、詰められたりすると、

私は自分の言葉で説明することができなくなり、結果的に嘘をついてしまうということに繋がります。

そうすると余計に火に油をさすような状態になります。

 

だからこそ自分から報告する方が被害が小さいのです。

 

何より大事なのは、「苦手な自分」を否定しないこと。苦手でもいい。うまくやれなくてもいい。それでも少しずつ前に進めば、それはちゃんと成長です。

大丈夫、あなたは成長していけるのです。

報告連絡相談は一夜にして得意になるものじゃないけど、「少しでもやってみよう」と思える自分でいること。

それが、長く続けていくための土台になるのだと思っています。

もし同じようなことで悩んでいる人がいるのであれば、少しでも助けになれれば幸いです。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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