昔の私は、いつも自分に失望していました。
- やろうと思ったことを忘れる。
- 集中が続かない。
- 気づいたら別のことを始めてしまっている。
そんな自分を「ダメだな」「なんでできないんだろう」と責め続けていました。
ADHDと診断されたのは、社会人になってからでした。
診断がついて、少しは楽になるかと思いきや、
「もっと工夫しなきゃ」「ちゃんとやらなきゃ」と、
今度はできない自分を改善しようと必死になっていました。
でも、うまくいかないたびに「またできなかった」と落ち込む毎日。
そんな私が、ある時ふと、「自分に期待するのをやめてみよう」と思ったんです。
「これくらいはできるだろう」「今日こそ完璧にやろう」
その“無意識の期待”が、自分を追い込んでいたことに気づいた瞬間でした。
このブログでは、「自分に期待しない」という考え方が、どうして私の心を軽くしたのか。
そして、それによって生活や働き方がどのように変わったのかをお話しします。
自分に期待するのをやめたら、毎日が少しだけ穏やかになった
ADHDと診断される前の私は、毎日が自分へのガッカリの連続でした。
「今日こそちゃんとやろう」「今度は忘れないようにしよう」「このくらいは普通できるよね」
そうやって自分に期待しては、うまくできずに落ち込む。
そんな日々を何年も繰り返していました。
タスクを先延ばしにしてギリギリになって焦ったり、
気を取られて大事なことを忘れたり。
誰かに迷惑をかけるたび、「もっとちゃんとしないと」と自分にプレッシャーをかけていました。
でもその「ちゃんとしなきゃ」が、自分の首を絞めていることに気づいたのです。
「どうせまたできない」と開き直ったのではありません。
むしろ逆で、「できるはず」と思い込むことが自分を傷つけていたのだとやっと気づいたのです。
だから私は、試しに自分に期待しないというスタンスで生きてみることにしました。
たとえば「タスクを完璧にこなす」ではなく「一つでも手をつけられたらOK」にする。
「朝スッキリ起きる」ではなく「とりあえず起きて着替えられたら合格」。
こんなふうに、自分へのハードルを下げてみたんです。
すると、気持ちが軽くなったことで、かえって行動に移しやすくなったのです。
「できなかったらどうしよう」と身構えることが減り、「できたらラッキー」くらいの感覚で動けるようになりました。
もちろん、全部がうまくいくわけじゃありません。
でも、前より落ち込む回数が確実に減った。
失敗しても、「まぁこんなもんか」と思えるようになった。
そして、少しずつ“できる自分”も見えてくるようになったのです。
もしあなたが今、できない自分を責めて苦しんでいるなら。一度、自分に期待しないという選択をしてみてください。
それはあきらめではなく、自分を守るための優しさなのです。
理想の自分を手放したら、やっと今の自分を許せた
私はずっと、「ちゃんとできる人」になりたかった。
忘れ物をせず、スケジュール通りにタスクをこなし、
人間関係でトラブルも起こさない。
そんな理想の社会人像を、自分に重ねていました。
でも現実の私は真逆でした。
メモを取ってもそのメモ自体をなくし、
やろうと思ったことは忘れ、
先延ばしにしたまま仕事が溜まっていく。
それなのに、「私はこうあるべき」という完璧な理想像に自分を近づけようと必死だったんです。
その結果、自分のことがどんどん嫌いになっていきました。
「なんでできないの?」「どうして同じミスを繰り返すの?」
周囲に責められる前に、自分自身が自分を責めていました。
ADHDの診断を受けたとき、「これで少し楽になれるかも」と期待しました。
けれど、診断後もしばらくはその理想像を手放せず、
「ADHDでもちゃんとできている人はいる」と、今度は“努力不足”を責めるようになっていたのです。
そんな私が変わるきっかけになったのは、ある日ふと口にした「しょうがないじゃん」という気持ちでした。
それは開き直りではなく、自分への諦めでもなく、「それでいいよ」と肯定してあげた瞬間でした。
完璧じゃなくても生きていていい。
間違えても、できなくても、私は私であることには変わりない。
そう思った瞬間、スッと肩の力が抜けたんです。
そこから私は、理想の自分を手放す練習を始めました。
- タスクは完璧にこなさなくていい。とにかく一歩だけ進めればOK
- スケジュール通りに動けなくても、自分なりのペースでやればいい
- 他人と比べるのではなく、昨日の自分と比べてみよう
「今日の自分、まあまあ頑張ってるじゃん」と少しでも思えた日は、
それだけで自分を褒めてあげるようにしました。
もちろん、今も理想の自分を求めてしまう瞬間はあります。
SNSでキラキラした生活をしている人を見ると、羨ましくなることもあります。
でもそんな時は、「その人はその人、私は私」と口に出すようにしています。
その言葉が、自分を守ってくれるから。
理想を持つなとは言いません。
でも、その理想が自分を苦しめているなら、少し手放してみてもいい。
完璧じゃない自分にも、価値はちゃんとある。
そう思えたとき、私はやっと、毎日を穏やかに生きられるようになりました。
「ちゃんとできない私」を許すことは、自分らしく生きることの第一歩でした。
もしあなたが完璧な理想像に近づけなくて悩んでいるのであれば、
一度完璧な自分を手放してみることをおすすめします。