診断・受診に関する体験

ADHDの私が仕事や家庭の両立に悩んだときに思い出すこと

ADHDと診断されても、日常生活を問題なく送っている方も多くおられると思います。

結婚して子どもがいて、仕事にも普通に通っている。

周囲から見れば何も問題ないように見える日常を過ごしているように思われるかもしれません。

実際、私も結婚して子どもがいますし、毎朝決まった時間に起きて、仕事にも遅れず出勤し、家に帰れば家事や育児にも取り組んでいます。

けれど、ADHDと診断された経験があるからこそ、「自分の生活は本当に“普通”と言えるのだろうか?」と考えてしまう瞬間があります。

何かひとつ物事がうまくいかなかったとき、これはADHDのせいなのでは?と必要以上に自分を責めてしまったり、

家族に迷惑をかけていないか不安になったりすることは少なくありません。

ふとした時に、自分はちゃんと役割を果たせているのだろうか?という不安がよぎります。

家族に変な目で見られているのではないか、無意識に負担をかけているのではないか。

そんな思いが頭の中をグルグルと巡ることも少なくありません。

今日は、こうした普通とは何か?という違和感や不安について、少し掘り下げて考えてみたいと思います。

 

ADHDと診断された自分が仕事や家庭の両立で心掛けていること

仕事や家庭との両立で悩んでいるという社会人の方は少なくありません。

特に最近は子育てを夫婦で行うという風潮が出ており、家庭の中での役割は増えているといっても過言ではありません。

確かに女性の社会進出が進んできている中、男性は仕事、女性は家事という役割分担は難しいでしょう。

だからこそ男性も家庭の中で、子育てに参加しなければいけないという言い分はよくわかります。

 

しかしADHDを抱えている私としては、家庭の中の役割と仕事との両立は難しいのではないかとつくづく感じています。

ADHDの特徴として、一つのことを考えることで没頭するか、集中が続かずにそのまま別のことを考えてしまう、

こうした特性があることから、マルチタスクは難しいと感じる部分があります。

いわゆる思考回路の切り替えがなかなか難しいのです。

 

  • 寝ても起きても仕事のことが頭をよぎる。
  • 家庭のことを考えると仕事のことを忘れてしまう
  • 一つのことに集中することがなかなか難しい

こうした問題を抱えている自分があります。

だからこそ家庭の中では自分の中で決めていることが一つだけあります。

「今自分がしなければいけないことに集中する」

 

仕事を頑張らなければいけないなら、

家庭のことは妻に任せ、自分のやるべきことを頑張る

正直妻には大変申し訳がないと感じている部分はあります。

しかしながら男性としてやるべきことは、家庭を守ることです。

仕事を頑張り、家庭を支えることが一番の仕事なのです。

家庭の仕事ももちろん大切ですが女性よりも体が丈夫な自分が家庭を支えずして

誰が家庭を支えてくれるのか?ということです。

 

だからこそ今自分が何をしなければいけないのか

何に注力しなければいけないのか

こうしたことを徹底して考えていくようにしています。

 

仕事と家庭の両立が完璧にできなくても大丈夫だと自分に言い聞かせよう

ADHDを抱えていると、ついタスクを忘れてしまったり、やるべきことがあるのにうまく手をつけられなかったりすることがよくあります。

そんな時、多くの人が「自分はちゃんとできていない」と感じて、つい自分を責めてしまいがちです。私自身も、何度もそういう気持ちを味わってきました。

ADHDの特性として、頭の中だけで情報や予定を管理することがとても苦手です。

何かを覚えておこうとすると、そのことに意識が集中しすぎてしまい、他のことが手につかなくなったり、逆に完全に忘れてしまっていたりすることも少なくありません。

ちゃんと覚えていなきゃと思えば思うほど、脳がパンクしてしまうような感覚です。

そのたびに私は、これは脳のキャパの問題であって、自分の意思の弱さではないと言い聞かせるようにしています。

そして、重要な出来事や、やらなければいけないことは、なるべく頭の中から外に出すように心がけています。

つまり、書き出すことです。

紙にでもスマホにでも、方法は何でも構いません。

とにかく「今、自分が何をしなければいけないのか」を、目に見える形にする。

視覚化することで、タスクに対する不安や混乱がだいぶ軽減されるのです。

私は毎朝、今日やるべきことを箇条書きで書くようにしています。

やることが多くても、ひとつずつ見ながら消していくことでできている感覚も得られ、自信にもつながります。

また、ToDoアプリなども使いますが、意外と手書きのメモも侮れません。

物理的に目に入るということが、私にとってはとても大きな意味を持っています。

例えば、仕事に集中しすぎてしまい、家族との大事な予定をすっかり忘れていたという経験、私は何度もあります。

そうしたとき、家族からまた忘れたの?というような嫌な目で見られてしまうことがありました。

悪気があるわけではなくても、結果的に家族をがっかりさせたり、怒らせてしまったりすることで、自分をますます責めてしまう。そんな悪循環に陥ってしまうのです。

そこで私は、家族との約束事や予定に関しては、必ずカレンダーに書いておくことにしています。

特に、冷蔵庫に貼った家族共有のカレンダーや、スマートフォンのカレンダーアプリを使って、視覚的に「目につく場所」に予定を記録するようにしています。

予定が近づいたらアラームで通知されるように設定することも習慣にしました。

「なんでこんな簡単なことができないの?」と、過去の私は何度も自分を責めていました。

でも、今では「できないのは、自分がダメだからじゃない。仕組みが足りないからだ」と考えるようになりました。

ADHDの特性を否定せず、それに合ったやり方を工夫していくことが何より大切です。

 

家に帰ったら切り替える癖をつけよう

仕事が終わって家に帰ってきても、すぐに家庭モードに切り替えるのが難しいことがあります。

頭がまだ仕事のことでいっぱいで、子どもの相手にうまく向き合えなかったり、イライラしてしまったり。

そんな自分を責めてしまう時期もありました。でも、最近は意識的に「切り替えの時間」を作っています。

  • 家に帰ったらまずシャワーを浴びる
  • 一人で10分、音楽を聴く
  • 帰宅時に軽いストレッチをする

たった数分でも、仕事から家庭へのスイッチを意識的に入れることで、心が落ち着きます。

自分にとっての「切り替え儀式」を見つけることは、両立の大きな助けになりました。

 

ADHDを抱えながらの家庭と仕事の両立は、正直言って簡単なことではありません。

でも、諦めずに試行錯誤を重ねる中で、自分に合ったやり方が少しずつ見つかってきました。

 

大事なのは、一人でがんばりすぎないこと。

家族に頼ること、ツールを活用すること、そして何より自分の特性を否定しないことが大切です。

ADHDであっても、工夫しながら家庭も仕事も楽しんでいくことは、きっとできます。

完璧じゃなくても、自分らしく歩んでいければ、それで十分だと思っています。

 

これを読んでくださっているあなたも、家族を守るために今やるべきことを頑張りましょう。

 

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