「よくできてる」
そう言われても、なぜか素直に受け取れない自分がいます。
たとえば一日中仕事をして、なんとか期限に間に合った。
それなのにもっと早く取りかかればよかったとか、
あそこはもっと丁寧にできたはずと、つい反省点ばかりが頭の中に浮かんでくる。
終わったことよりも、できなかったこと、足りなかったことが気になってしまう。
そんな自分が常に頭のどこかに存在して自分を責めてきました。
でもあるとき、ふと気づいたんです。
もしかして私、自分をほめるのがすごく下手なんじゃないか?と。
そして、それは性格や気の持ちようではなく、ADHDという特性の影響かもしれないと知りました。
ADHDの人は、過去の失敗体験が強く残りやすかったり、
自分に対する評価が極端に低くなりやすかったりします。
これくらいできて当たり前、まだまだ足りないと無意識にハードルを上げてしまい、自分が何かを成し遂げたときでさえ、それを受け取る余白がないのです。
そのことに気づいてから、私は自分を認める練習を定期的に意識的に始めるようになりました。
はじめは違和感しかありませんでしたが、小さなステップから少しずつできたことを見つけるようにしていくと、毎日の感じ方が変わってきました。
今回は、そんな私自身の体験を振り返りながら、なぜ自分をほめるのが難しいのか、
どうすれば少しでも自分を認められるようになるのかについて書いていきます。
できてるのに自分を責めるADHDの私がほめ下手な理由とは?
ADHDの私は、昔からできたことよりも、できなかったことにばかり目が向いてしまいます。
たとえば野球の話で行くと、ヒットを打てたとしても、あの角度はおかしかったとか、もっといいところで打てたのではないかとか
打てたという結果よりも、別のことに対してダメ出しをしてしまう癖がありました。
仕事の面においても仕事の締切を守ったとしても、もっと早く取りかかれば余裕があったのにとか、
最後の確認が甘かったかもしれないと、自分にダメ出しをしてしまう。
そんなふうに、どこか満足できないまま一日が終わっていくことが少なくありません。
この自分をほめられないという感覚には、どうやらADHDの特性が関係しているようです。
ADHDの人は、脳の報酬系と呼ばれる、達成感や満足感を感じる神経回路の働きが弱い傾向があると言われています。
そのため、何かを達成しても手応えが薄く、よくやったと感じにくいのです。
結果として、どんなに頑張っても、それを当たり前のこと、たいしたことないと受け流してしまいがちになります。
また、記憶の残り方にも偏りがあるように感じます。
楽しかったことやうまくいった経験よりも、怒られた記憶や失敗体験のほうが強く印象に残るのです。
そういった積み重ねが、自分はできない人間だというイメージを無意識のうちに形成していきます。
それが自分の中に根を張ってしまうと、何かを成し遂げても、それを認める余地がなくなってしまいます。
さらに、完璧主義に陥りやすい傾向もあります。
このくらいできないと意味がないとか、中途半端な成果は価値がないと、自分に対して厳しすぎる基準を設けてしまう。
その結果、現実にどれだけ頑張っても、これはまだ不十分だという感覚が抜けなくなります。
こうした背景を知ると、自分をほめるのが苦手な理由は、単なる性格や甘えではないことが分かってきます。
脳の特性や注意の向かいやすさ、記憶の偏りといった要素が複雑に絡み合って、自分に厳しくなってしまう構造があるのです。
この傾向に気づいてからは、自分への見方を少しずつ変える努力を始めました。
たとえば日記アプリに、今日できたことを三つ書き出すようにしています。
それは、朝きちんと起きられた、買い物に行けた、誰かにありがとうと言えた、そんな小さなことでかまいません。
目に見える形でできた証拠を積み重ねていくことで、少しずつ、自分にもできることがあると実感できるようになってきました。
自分をほめるのが苦手な人は、努力が足りないわけではありません。
ただ、脳の仕組みや思考のクセがそうさせているだけ。
だからこそ、自分の特性を知ったうえで、丁寧にできたことと向き合っていくことが、回復の第一歩になるのだと思います。
ADHDの私が自分自身をほめるトレーニングを始めて変わったことと変わらなかったこと
自分をほめることは、ADHDの私にとって簡単なことではありませんでした。
何かを達成しても、それを評価する前に、反省点ばかりが浮かんでしまう。
もっと早くできたはず、あれはミスだった、まだまだ努力が足りない。
そんなふうに、せっかくの成果を自分で帳消しにしてしまう癖がありました。
このままでは、自分への信頼感がどんどん失われていくと感じた私は、思考の癖を変える必要があると考えるようになりました。
ただし、これは自然にできるものではなく、ある程度意識的に取り組む「訓練」が必要だと感じました。
そこで、脳の特性を理解しつつ、自分をほめるための具体的な習慣づくりを始めました。
最初に行ったのは、日常の中の小さな成功を記録することです。
たとえば、
- 朝決まった時間に起きられた
- 予定を忘れずに実行できた
- 洗濯物を片づけられた
といったささやかな行動でも構いません。
大事なのは、どんなに小さくても「できたこと」に意識を向けて、
それを紙に書いたりカレンダーに残したりすることです。
この積み重ねによって、自分の中に少しずつ肯定的な記憶が蓄積されていきました。
次に取り組んだのが、夜に「今日のよかったこと」を3つだけ振り返る習慣です。
これは日記アプリやメモ帳を使って、必ず3つ書き出すというシンプルなものです。
初めのうちはなかなか思い浮かばず、ブログを書いた、朝起きることができたなど苦し紛れの内容になることもありました。
しかし続けていくうちに、良かったことを探す視点が自然と身についてきて、
日常の中にあるポジティブな出来事に気づきやすくなりました。
また、自分を責めそうになったときには、思考の内容を疑ってみるようにしています。
本当に自分は何もできなかったのか、それとも一部だけがうまくいかなかっただけなのか。
事実と感情を分けて考えることで、自分への評価を極端に落とさずにすむようになりました。
よく昔から反省しろと怒られてきました。
反省するということは悪いことばかりではなく、良いことも反省することも大事だなと最近気づきつつあります。
こうした訓練は、すぐに成果が出るものではありませんでしたし、途中でやめてしまったことも何度もあります。
それでも、少しずつ自分を肯定的に見る視点が育っていくのを感じています。
以前よりも、自分に優しく接することができるようになりましたし、失敗しても立ち直るのが早くなったように思います。
ADHDの特性から、自分に厳しくなりすぎてしまう人は多いと思います。
だからこそ、意識的に「自分を認める訓練」を取り入れることはとても大切です。
これは甘やかしではなく、自分を守るための大事な土台だと私は感じています。
もし今日のブログを読んで、同じような境遇にある人にはぜひ自分をほめることから始めてみてほしいと思います。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。