継続・改善の工夫

ADHDの人が聴くと落ち着く曲があると知っていますか?

  • 頭の中がざわざわして、何も手につかない。
  • 考えが止まらなくて、焦る気持ちだけが空回りする。
  • 周りの音や人の動きが気になって、静かにしたいのに静かにできない。

そんな状態になることが、ADHDの私は日常の中で何度もあります。

「落ち着こう」

「今は集中しなきゃ」

と思えば思うほど、反対に気持ちは暴れてしまって、さらに疲れてしまうことが多々あります。

そして「またできなかった」「こんな自分はダメだ」と自分を責めてしまうことも少なくありません。

でも、そんな自分が落ち着いていると感じるタイミングがあるのです。

それが、音楽を聴いている時です。

音が、私の頭の中のざわざわに“ふた”をしてくれるような感覚。

それまで暴れていた感情や思考が、ゆっくり呼吸を取り戻すように落ち着いてくるのを感じた瞬間が、何度もありました。

もちろん、誰にでも同じように効くわけではないと思います。

ADHDとひとことで言っても、感じ方や反応は人それぞれだからです。

 

でも私は、ある特定の音やテンポ、声のトーンに触れることで、安心感を覚えることがあります。

このブログでは、そんな私が実際に「これは落ち着いた」「何度も聴いて助けられた」と感じた音楽をいくつかご紹介したいと思います。

同じように、気持ちがざわざわして落ち着かない時間に悩んでいる方の、ちょっとした手助けになれたら嬉しいです。

 

なぜADHDの私は音楽を聴くと落ち着けるのかを考えてみた

ADHDの私は、次々に思考が湧いてきて、それがまとまらないまま次のことに飛んでしまう。

集中したいのに注意がそれてしまい、気づけばまったく別のことをしている。

そんな経験が日常茶飯事です。

 

このような状態は、脳の中で情報をコントロールする「実行機能」の働きが弱いためだといわれています。

また、刺激を求めやすいという神経特性も持っているため、無音や静寂の中では逆に落ち着かず、不安やイライラを感じてしまうことがあります。

 

そんな私にとって、音楽はちょうどよい「心地よい刺激」になってくれる存在です。

音楽には一定のリズムや繰り返しがあり、それが脳に安心感を与えてくれるのです。

特にテンポが安定していて、メロディが単調すぎず派手すぎない音楽は、

脳に余計な刺激を与えすぎることなく、ちょうどよいレベルで集中をサポートしてくれます。

私にとってはクラシック調の歌詞のない音楽がちょうどいいと感じています。

最近のお気に入りはファイナルファンタジーのオーケストラですね。様々なところで作業用BGMとして紹介されていますので是非チェックしてみてはいかがでしょうか?

 

もう一つの理由は、音楽が「感情のブレーキ役」になってくれることです。

ADHDの私は、感情が高ぶりやすく、ちょっとしたことでイライラしたり不安になったりしやすい傾向があります。

そんなときに音楽を聴くと、脳内でドーパミンという快感ややる気に関わる物質が分泌されると言われています。

このドーパミンの分泌は、ADHDの人が本来不足しやすいとされている部分でもあるため、

音楽によってそのバランスが一時的に整うことで、感情が穏やかになることがあります。

 

また、私にとって音楽は「今、ここ」に意識を向けさせてくれるものでもあります。

頭の中で過去の失敗をぐるぐる考えていたり、

まだ起きてもいない未来のことで不安になっていたりするとき、

音楽に耳を傾けることで「今この瞬間」に意識を戻すことができるのです。

この「今に集中する」という感覚が得られるだけでも、かなり心が落ち着きます。

 

さらに、歌詞のない曲や自然音を取り入れた音楽は、言葉の情報処理を必要としないため、脳への負荷が軽く、心のノイズを静かにしてくれます。

まるで外からかけられる優しい毛布のように、音が静かに自分を包み込んでくれる感覚があります。

だからこそ、私は不安になりそうなときや気持ちが高ぶっているときには音楽を聴くようにしています。

ただそれだけで、嵐のようだった頭の中が、少しだけ静かになってくれるのです。

 

歌詞のある音楽は集中力を乱してしまう可能性がある

ではどのような音楽でもいいのかというとそうではありません。

私は特に歌詞のある音楽は、気持ちを静めたいときにはあまり向いていないと感じています。

その理由は、歌詞があることで頭の中がさらに忙しくなってしまうからです。

 

ADHDの特徴のひとつに、情報を取捨選択するのが苦手というものがあります。

周囲の音、視覚情報、頭の中の考え事

それらが一気に流れ込んできて、どれを優先していいのか分からなくなるのです。

そんな中で歌詞のある音楽を聴くと、その「言葉」が脳内に入ってきて、無意識に意味を追ってしまいます。

 

たとえ集中していないつもりでも、言葉は自然に頭の中に入ってきます。

気づけば歌詞の内容を考えてしまったり、

過去の出来事や感情と結びついて別の思考が湧いてきたりして、頭の中がまた騒がしくなるのです。

本来は落ち着くために聴いていたはずなのに、逆に感情が揺れ動いてしまったり、別の不安が引き出されたりすることもあります。

 

また、歌詞にはメッセージ性があるため、聞いていて気が散るだけでなく、無意識にその世界観に引きずられることがあります。

例えば、失恋の歌を聞けば心が沈んでしまったり、

前向きな歌でも「自分はこうなれていない」という劣等感を刺激されたりすることがあります。

言葉は感情に直結しやすいため、精神的に不安定なときにはその影響を大きく受けてしまうのです。

 

そしてもう一つ、言葉と自分の思考がぶつかってしまうという問題もあります。

何かを考えながら作業をしたいときや、自分の考えを整理したいときに、頭の中で言葉を組み立てようとしても、同時に音楽の歌詞が流れてくると、それが邪魔をして思考が途切れてしまうのです。

 

これは、会話をしながら本を読むのが難しいのと同じような現象です。

ADHDの脳はマルチタスクが苦手なため、

同時に複数の「言語的な情報」を扱うとすぐにパンクしてしまいます。

そのため私は、落ち着きたいときや集中したいときには、できるだけ歌詞のない音楽を選ぶようにしています。

歌詞のある音楽は決して悪いものではありませんが、

ADHDの私にとっては、静けさや落ち着きを得たいときには、逆効果になることもあるというのが正直なところです。

 

このように集中したいときに音楽は不向きといわれることがありますが、

時と場合によっては集中力を高めることにもつながる音楽を

ぜひ試してみてはいかがでしょうか?

今日も最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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