人と話をしていて自分の話の終着点がわからなくなる
そうしたことって経験ありませんか?
「で、結局何が言いたいの?」
この言葉を、何度言われたかわかりません。
私は話すことが嫌いではありません。
むしろ、伝えたいことがたくさんあります。
けれど、話し始めるとどんどん内容が横道にそれてしまい、最終的に自分でも「何の話をしてたっけ?」と分からなくなることもしばしば。
ADHDの私にとって、「順序立てて話す」「必要な情報だけを伝える」というのは、
簡単なようでとても難しいことです。
頭の中には常にたくさんの情報や関連するエピソードが浮かんできて、
それを全部伝えなければと焦ってしまう。
でもそれは、結果的に相手を混乱させてしまうという現実に、ようやく気づきました。
話が伝わらないことで、人間関係にすれ違いが生まれたり、自信を失ったり。
「どうせ自分は話が下手なんだ」と落ち込むこともたくさんありました。
でも、あるとき思ったのです。
上手に話そうとするより、ちゃんと伝わる形を意識したほうが、
相手にも自分にも優しいんじゃないかと。
このブログでは、話が脱線しがちなADHDの私が、
どうやって「伝わる話し方」を身につけてきたのか、
その試行錯誤と工夫についてお話ししたいと思います。
話すのが苦手と感じている方のヒントになれば嬉しいです。
ADHDの私は相手と話すときにひとつのテーマに絞ることから始めた
話が脱線してしまう。
これはADHDの私が長年抱えてきた悩みの一つです。
話し始めると、頭の中に次々と浮かんでくる情報やエピソード。
どれも関連しているように感じてしまい、つい話の筋を追わずに
「これも伝えたい」「あれも必要だ」と話しすぎてしまう。
その結果、肝心なことが伝わらず、相手に「で、何が言いたいの?」と言われてしまうことがよくありました。
そんな自分に自信が持てず、「自分はコミュニケーションが苦手なんだ」と思い込んでいた時期もありました。
でも、落ち込むばかりでは何も変わらない。
どうすれば相手にわかりやすく伝えられるかを自分なりに考える中で、
あるシンプルな解決法にたどり着きました。
それが「ひとつのテーマに絞る」という方法です。
これまでは、一度に多くを語ろうとして話が散らかっていました。
話の中に「補足」や「説明」や「ついでの話」が混ざりすぎて、
自分でも何が本題だったか見失うことが多々ありました。
そこでまずは、「今日の話はこれだけ」とテーマを1つに決め、
それ以外の話はしないとあらかじめ決めてみたのです。
たとえば、先日のミーティングについて聞かれたら、聞かれた内容それだけを話す。
他にもある場合は、一つの話が終了してから伝えるようにしました。
話す前に「伝えたいことは何か?」を自分で1文にしてみる。
それだけでも、話の道筋がはっきりして、相手にも伝わりやすくなりました。
そして何より結論から話すようにしました。
結局何かをつらつら話をしてもまとまらないことが多いので、結論を簡潔に伝えるようにしたのです。
最初は難しかったです。
途中で脱線しそうになることもありましたし、
補足したくなる癖はなかなか抜けません。
でも、「脱線しそうになったら最初の一文に立ち返る」ことを意識することで、徐々にコツがつかめてきました。
特に仕事の場面では、「端的に伝えることが評価される」ということも体感できました。
「簡潔でわかりやすい」と言われるようになったとき、自分の工夫が少し報われた気がしました。
もちろん今でも、話が長くなりすぎることはあります。
完璧にはできません。でも、「ひとつのテーマに絞る」という意識があるだけで、話のブレはかなり減ったように感じます。
話がうまく伝えられないと悩んでいる方、特にADHDの特性で情報が頭の中に溢れがちな方にこそ、
まずは「テーマをひとつに絞る」ことを試してみてほしいです。
伝えたいことが多くても、まずは一つだけ丁寧に伝える。それが信頼や安心につながっていくのだと思います。
「話す前に、まず書く」ことで思考が整理されるような気がします
話が脱線しがちな私にとって、「話す前に書く」というステップは、
いわば思考の整地作業のようなものです。
以前の私は、話しながら内容を考える癖がありました。
頭の中で思いついたことをそのまま口に出すものだから、話があちこちに飛び、
聞き手を混乱させてしまうこともしばしばありました。
「結局何が言いたいの?」と聞き返されて、さらに焦って言葉が乱れるという悪循環に陥ることも多くありました。
そんな私が試したのが、「とりあえず書く」という方法でした。
私の場合はチャットを利用してまずは相手に伝えたいことを書くようにしています。
「何を伝えたいのか」
「その理由は何か」
「どういう順番で話すとわかりやすいか」
を、箇条書きでいいからアウトプットしてみる。
この箇条書きというのがミソです。
すると、不思議なことに自分の頭の中のもやもやが少しずつ形になっていく感覚がありました。
話す内容を視覚的に整理しておくことで、話している最中に脱線しても、
メモで書いたものに立ち返ってみる。
「話すことに集中しすぎて、何を伝えたかったのか見失う」ということが減っていったのです。
この方法は、日常会話だけでなく、仕事の会議や報告でもとても役立ちました。
私たちADHDの特性としてワーキングメモリの弱さがよく挙げられます。
一度に複数の情報を頭の中で保持し、操作することが苦手です。
だからこそ「書く」という外部ツールを使って、思考を補助してあげることがとても効果的なのだと思います。
「話がまとまらない」
「何が言いたいのかわからない」と言われるたびに、自分の話し方が悪いんだと落ち込んでいましたが、
それは話し方の問題というよりも、自分の思考のクセを知らずに話そうとしていたこと
が原因だったのだと思います。
大切なのは、「話し上手」になることではなく、
「相手に伝わる方法」を、自分なりに見つけることでした。
あなたも自分の言葉を相手に伝えるために、こうしたことを試してみてはいかがでしょうか?
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。